CLTでGO
作品紹介
森林資源が豊富な山間部にCLTホテル列車を走らせます。選定地域は絶景の秘境路線といわれる只見線です。CLTホテル列車の三角屋根の客室が連なり走るさまは、会津の奥深い山々や渓谷にマッチし冒険心がそそられます。この「走るテント型列車」は、風光明媚な四季折々の景観を最大限に感じられる開放感溢れる空間を提供します。列車の設備は最小限ですが、その不便さとひきかえに人間の五感が刺激されるアウトドア的な楽しみが体感できます。列車は駅に停車宿泊し、観光客は駅周辺地域で食事やトイレ、入浴施設を利用することで住民との交流や地域経済の活性化が期待できます。車両は客室の他、原木やCLT版を積載した構成にし、CLTの生産・輸送の過程をアピールする「走るショールーム」として活用でき、周辺地域の木材産業の振興を図ります。CLT版は版同士をヒンジでつなげると蛇腹のように折りたため、貨車の台車の上で滑らせると簡単にトラスの屋根が作れます。この設置が容易という利点は、災害時の仮設施設への応用ができるかもしれません。
作品概要
受賞部門 | 設計部門 |
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受賞年 | 2020年 |
賞の種類 | 国土交通大臣賞 |
受賞者 | 柄本 純夫 佐藤 圭祐 藤野 太知 進藤 正人 森 翔太 成田 政杜 加藤 幸恵 (清水建設(株)) |
講評
移動物体である貨車の上に三角形を置いて移動空間を作るという単純ながらも非常に面白いアイデアが高く評価されました。林業が盛んな地域で森の恵みを体験できるホテルとして軌道を使うというストーリーと沿線のレストランを利用することで上手に沿線地域の活性化も考えられている点を含め、構造・製造においても非常に的を射た作品と評価されました。