Rewooden school

作品紹介

「木の温もりと再生」で豊かな環境と地域のコミュニティを未来に繋げる小学校 小学校の多くはRC造で作られ、老朽化や少子化からその再構築が課題です。本提案はRC造の上階部分を解体し、CLTで空間を再構築・最適化するものです。RC撤去による建物自重の軽量化で耐震基準への適合化を図り、既存建物を将来も有効活用します。また解体範囲縮小による解体CO2の削減、木造化によるCO2固定量の創出に寄与します。少子高齢化が進み、教育施設の空洞化が懸念される松山市の清水小学校を対象に、地域の産業を活用してオープンラボや図書館などの交流空間を創ります。そこは未来を担う「こども」や「大学生」、技術を伝える「働き手」の『交差点』となり、同時に「環境」「人々のつながり」「技術」を未来に繋ぐ『中継地』でもあります。上層部に、構成の自由度が高く施工の簡略化が可能な「CLT構造ユニット」、既存部分は「CLT耐震壁」を採用し、「木」を感じられる変化に富んだ空間を提案します。既存建物の木造化のため、準耐火・耐火建築物のハイブリット化が必須です。上階の木造部分は避難と延焼防止性能を重視した準耐火建築物とし、耐火規定を緩和させることでCLTの更なる利用促進を図ります。

作品概要

受賞部門 設計部門
受賞年 2023年
賞の種類 農林水産大臣賞
受賞者 小林 隆太(株式会社大林組 医療ソリューション部)

講評

面積を維持したまま、既存のRCの重い層の上層部を2層取り、上層部にCLTを使用した軽い層を追加して耐震性を向上させるハイブリット構造の提案です。この建物は、既存の校舎の構造を活かしつつ、自由度の高い空間を提供し、多様な学びや地域の利用を可能にしています。また、CLTを使用した木質化空間の施工性や松山市近傍地域の森林資源循環にも配慮されています。この提案は、耐震性を目指す新たな視点からうまれたものであり、非常に興味深いと評価されました。さらに、このアイディアは実現可能性が高く、今後の普及が期待されます。