とまり木

作品紹介

自立する2枚のCLTパネルから生まれる、とまり木のような居場所たち。 パネルからパタパタとめくれる小さな木板の群れは、上下左右にずれながら隣り合ったり、向かい合ったりすることで、多様な関係性をつくりだす。 外側を白の化粧板、内側を木現し仕上げとした家型の壁にたくさんの窓辺が散りばめられたような佇まいは、小さな家のようであり、風景にやさしく溶け込みながら、木の温もりと親しみに溢れる空間となることで、人々をゆるやかに集める。 鳥たちがひと時の安らぎを求めてとまり木に脚を掛けるように、人々は居場所を見つけそれぞれ思い思いの時を過ごす。ベンチに腰掛けぼんやりと辺りを眺めたり、テーブルで食事やお茶をしたり、読書をしたり、遊んだり、人やバスを待ったり、寝そべって昼寝をしたり、植物を飾ったり・・・。 CLTが建築の構造材になると同時に、家具のような小さなスケールとしても扱われ、そこへ腰かけたり、寝そべったりといったように、たくさん触れるようになることで、人の多様な所作に呼応する身体性も兼ね備えた建材として普及することを期待する。

作品概要

受賞部門 スター誕生部門
受賞年 2017年
賞の種類 優秀賞
受賞者 山口 貴司