水の都の玄関口 〜河川でつながる新たな賑わい〜

作品紹介

広島市の市街地には6本もの川が流れており、水の都と呼ばれています。昔は街の中を流れる河川を使い、雁木(水辺にせり出した階段状の船着き場)を利用して人や物を運搬していました。現在は昔と比べると河川と人々の繋がりは薄れています。そこで、かつての繋がりを取り戻すためCLTを用いて、雁木タクシーや水上バスの船乗り場、カフェ、河川と触れ合える雁木広場を提案します。建物は、なるべくCLTの端材が出ないようにカットし、高さや長さの異なる門型のフレームを複数築きます。そのフレームを左右にずらしながら交差させて組み合わせることで、門型のフレーム構造の弱点を補い合い、様々な空間を作ります。そして、左右上下にずらしながら組み合わせることでできた隙間からは、柔らかな光と心地よい風が建物内に入り込みます。このようにしてできた、この建物は、水の都広島の新たな玄関口となり、河川を利用して街に人を呼び込み、広島市内をさらに活性化させます。

作品概要

受賞部門 設計部門
受賞年 2021年
賞の種類 学生賞(日本CLT協会賞)
受賞者 畠田 泰志(広島工業大学)

講評

単純な門型のフレームをX方向Y方向に組み合わせることで、開く、閉じる、屋根に架かるなど、多彩な場所をつくっています。門型フレームの長手方向が開かれ、川辺の風が通り抜ける環境が新鮮で、川と親しめるように水辺と水上の両方の空間を作り出そうとしている点も評価されました。