大屋根で覆い商うマーケット -CLT造マーケットがつくる舟運文化-

作品紹介

隅田川沿いに舟運文化を生み出す拠点となるマーケットの提案である。かつて河川は人と物が日々行き交い、川沿いには河岸(かし)と呼ばれる市場が広がっていた。今再び舟運に着目し、河川の魅力を引き出すことはできないか。かつて舟運で賑わった跡地を敷地とし、CLT造の現代版河岸を計画した。マーケットには荷捌きや競りを行う屋根に覆われた大空間と、品物を売る店舗群が欠かせない。店舗の集合が架構となった大屋根「マーケットルーフ」を、2棟のボリュームが支え持ち上げる構成とした。店舗間の界壁であり構造材である格子架構、内部に穿たれた搬入用ヴォイド、景色を見ながら買い物ができる外周回廊と看板が貼られた梁。構造材であり仕上材であるCLTの特徴を生かし、構造とプログラムが一体となる空間を演出した。河川沿いの敷地であるからには、自然の風景に溶け込む大らかな建築をつくりたい。CLTの軽さと力強さ、暖かな素材感を生かし、90m×45mに渡る巨大な木板がすっと宙に浮いた、軽やかで伸びやかな姿をつくることができた。

作品概要

受賞部門 設計部門
受賞年 2021年
賞の種類 農林水産大臣賞
受賞者 大坪 元気(nof architects)

講評

空中に長い架構のブリッジを架け、その中と上下に空間ができています。水平ラインがはっきりと分かりCLTがよく目立っていることや水辺にしっかりとしたCLTの構造と空間ができている提案が評価されました。CLTを他の部材で補強して、無柱空間をつくっている点など、CLTらしい使い方に安心感がありました。