呼吸するマンション

作品紹介

CLTで作るマンションは、その調湿性を活かし、ぬくもりある木質空間で生活するために、室内にCLTが表れてくるべきである。この提案は2枚の壁、2枚のスラブで各住戸を区切り、室内の床・壁・天井すべてがCLT仕上げとなるように考えられている。その2枚の壁、スラブの隙間に風を通したり、蓄熱空間にして、住空間に取り入れることにより、建物自体が呼吸をする、住まい心地の良いマンションとなっている。その隙間は、設備スペースとしても利用し、また遮音性の向上、延焼の防止にも貢献している。そして格子型の構造形式により、構造的安定性も高めている。

作品概要

受賞部門 設計部門
受賞年 2017年
賞の種類 環境大臣賞
受賞者 古山 明義
小森 真一
松本 究
(㈱ 日建ハウジングシステムlid研究所)

講評

CLTの構造体の間に風を通すことで作品名の通り「呼吸するマンション」となっており、ダブルスキンの考え方を取り入れた環境建築的な観点から興味深い提案で、集合住宅には今までにないアイディアである。防耐火面では、床と天井が2重になっており、その空間に耐火被覆することで、燃えぬけない仕様としている発想も新しい考え方である。